実は娘がまだ4歳の時であったか、スペインの首都マドリードに家族伴い出掛けたことがある。長くイタリアに過ごしながら、家族での旅行は日伊間の往復移動以外ほとんどなく、18年前リスボン、マドリード、そしてパリ巡った時以来であろうか。
今回のバルセロナへの旅はその時以来の海外(地つづきで辿り着けるので海を渡るわけではないのだが)旅行ということもありテンションはかなり高い。
エル・プラット空港では、何かと手続きを済ませた娘とともに事前に予約してあったホテルのある街の中心部に移動するために、まず電車に乗り込んでいる。パセジ・ダ・グラシア駅までおよそ30分、そこで4番の地下鉄に乗り換えて2駅。ジャウマ駅で降車したら街のメインストリートのひとつ、ライエターナ通りを進むと、荘厳な建物の並びに我々のホテルがあった。
幾期かに渡るバルセロナ都市開発の決め手となったのは、1939年よりはじまった大改造であり、その10年ほど前から着工している地下鉄の路線計画などとリンクしている。大都市であることの証明として、歴史的建造物を巧みに浮かび上げるような区画整理と、それに伴う道路の拡張により、このカタルーニャ地方の海沿いの街は国の首都であるマドリードに引けを取らない壮大な都市と生まれ変わっている
。
ホテル周辺に何があるのか、到着当日は近場を散策することに決めていた。いずれにしても食事は旅にあって大切なミッションの一つであるという持論を娘に突きつけて、昼下がりのメインストリートを歩きはじめる。先程の地下鉄駅の近く、細い路地を人混みに沿って入っていくと、左手に荘厳な建物が見えてくる。聖堂?いや街中のどこにでもあるような教会である。サンタ・マリア・ダル・マルという教会のファサードに見とれてしまい(イタリアの宗教的建造物とはかなり様式がことなっていることもあり)、写真など写してしばらくその周辺をうろついていると、「お腹が空いていたんじゃなかったの?」と娘の声。ハッと我に返ってお腹の上に手を置く。空腹、間違いない。「ほら、ここに行くよ」という娘に従って教会横の細い路地を進む。
立ち止まったのは小さな店構えながら外より見える内装が程よくシックであり異国情緒を漂わせているところ。雰囲気で味は決まらないけれど、らしき直感は信じることにしている。予約なしということもあり娘が店主に交渉すると、満席ながら10分待てば空くというので戸外で待つことにする。すでに13時30分を過ぎてはいたがスペインの食事の定刻はイタリアのそれよりも遅いと聞く。さて、バルセロナでの最初の食事、何からいただこうと外に貼り付けてメニューを覗くもスペイン語で書かれていてさっぱりわからず、郷に入っては郷に従え、と店主のアドバイスを頼ることに決めて、手招きに店内へと入っていく。
堂満尚樹(音楽ライター)
Instagram
ぜひご覧ください!
当日まで申込可能!
【10月28日開催】お家で楽しむオンラインツアー
「人気指揮者 A・ バッティストーニが案内する魅惑のヴェローナ」
(ツアー終了後、10日間の見逃し配信あり)
日本でも大人気、若手イタリア人指揮者のアンドレア・バッティストーニが、彼の生まれ故郷で、世界遺産としても有名な北イタリアの街、ヴェローナを案内するスペシャルなオンラインツアーです。
バッティストーニが案内する魅惑のヴェローナ。今年の8月下旬に2日間にわたり撮影を実施しました。聖ゼーノ教会、ジュリエットの家などの定番スポットから、フィラルモニコ劇場内部見学映像、お気に入りのレストランやワイナリーなどもご紹介します。その映像を見ながらのベヴェラリ、加藤浩子両氏によるトークもお楽しみに!(バッティストーニ、ベヴェラリ両氏はVTR出演となります)11月に予定される定期演奏会(東京フィルハーモニー交響楽団)のために来日予定のバッティストーニから、ツアー参加の皆様へのビデオメッセージとともに、東京フィルハーモニー交響楽団とのイタリア名曲の動画もご覧いただきます。
さらに、ツアー本編ではご紹介しきれない音楽祭の秘蔵映像もツアー参加特典としてご用意しております!
【速報!】
お家で楽しむオンラインツアー
12月14日(火)& 12月21日(火) 開催!
「ベートーヴェン生誕251年オンラインツアー第3弾」~べートーヴェン研究の第一人者 平野昭 とウィーン在住オペラ演出家高島勲 と巡る旅 ~
(ツアー終了後、10日間の見逃し配信あり)
ツアー申込ページはただいま準備中です。
受付開始の際には、メールマガジン、SNSなどでお知らせいたします!
ぜひ、ご期待ください。
◆12月14日(火) & 12月21日(火) 前編・後編 開催
ベートーヴェンをめぐる旅、第3弾はオーストリアからハンガリー、チェコの3カ国へ。
ベートーヴェンの「不滅の恋人」を追いかけ、カルロヴィ・ヴァリ、テプリーチェ、ブダペスト、そして再びウィーンへと2回に分けてお届けいたします。
郵船トラベル SNSアカウント
facebook
Twitter 
ぜひご覧ください!
ぜひフォローお願いします!